学生インターンに潜入!「Willは交差点を描こう!」
どーも!とみたじの、たじーです! 会社同期のとみーと一緒に、新規事業案を検討しています。
今回は、
8月末に開催された、学生向けの弊社インターンシップの潜入レビュです!
もちろん、学生の指導役としての参加です(笑)今時っぽく言うと、メンターってやつです。
このインターンシップ、実は「ビジネス創造インターンシップ」というもので、手前味噌ですがまさに今のぼくたちに打って付け!
…ちなみに、ぼくが受け持ったグループは、新規事業企画のワークで優勝しました!笑
勝因は、課題設定にあったと思います。
ただ指導役のはずが、参加して得られた学びも多かったため、議論の過程に沿って、内容を共有させていただこうと思います。
【目次】
0.インターンシップの概要
◇概要
3日間のグループワークで新規事業を企画し、プレゼンの後に優勝チームを決めます。
お題は「ICTで未来の社会を創造せよ!」(なんちゅー曖昧な、、)
◇参加人数
約40名(6,7名 × 6グループ)
ぼくが参加したのは理系コース。また受け持った班の学生はみんな優秀で、名門大学の学生の子ばかりでした。
◇スケジュール
計3日間
1日目:弊社事業や技術についての講義
2,3日目:新規事業企画のグループワーク、プレゼン大会
1.Willは交差点を描こう!
実はぼくたち指導役がインターンへ参加したのは2日目からで、その時、ぼくの受け持つグループ(以下A班と呼びます。)は既にWill※が決まったところでした。
※Willとは、直訳すると「意志」ですが、弊社内では、実現したいこと、本気で取り組みたいこと、などの意味で多用されます。
◇A班のWill
「どこでも、住みたい所に住める世界を実現したい!」
◇背景
進学や就職において、現実的に選択肢の多い東京となってしまう中、本当は自然に囲まれた田舎でゆっくり暮らしたい。
そして2日目の朝、
Willに対して、次は何を考えようか?というところに、ぼくがワークに混ざることになりました。
そこで真っ先に思い出したのは、以前に外部講師の方から言われた「それって価値の押し付けじゃない?」という言葉です。
(当時のブログ)
すぐさま、Willと社会が求めることの ”交差点” を探すよう促しました。
ホワイトボードで学生へ説明したイメージ↓↓
そして交差点を探すために、今掲げるWillの中で「課題」の絞り込みをすることに。(いわゆる課題解決型をお勧めしました。)
問いは、「住みたい所に住めない人が、住み替えたいほどの困りごとは何か?」です。
更に問いを2分して検討しました。
- ①東京住みの困りごと
- ②地方住みの困りごと
まずは①について、
「ちなみに、みんなは田舎に住みたいの?」と聞いてみると、
「富士山の見えるところに住みたいって人もいると思います。」
「○○さんは田舎に住みたいの?」
「うーん、、私は住みたくない。。。」
なんと..!!
そもそも本人が地方に住みたいと思えていなかったのです。①はこの時点でなし。
次に②について、地方住みの困りごとをブレストしてみると、
- 塾が少ない
- 就職先が少ない
- 買い物できる店が少ない
- 遊ぶ場所が少ない etc..
またこの時、元のWillを深掘りしてみると、特にA班は3人が地方学生で、場所の制約から不便を被る機会があり、場所に縛られずに生活や仕事をできる環境を創りたい、という当事者としての想いがあるようでした。
(ちなみにぼくも静岡県出身のため共感します。笑)
2.課題の質を見極めよう!
次に、地方の困りごとを絞り込む上で、困りごとの定義を確認しました。
◇困りごととは?
現状を解決するために、既にコスト(金銭、時間)を払っていて、それを不満に思う気持ち。
※顧客が口で「困っている」と言うだけでは、本当は困っていない可能性がある!
A班がコストとしてイメージできたのは、移動のための交通費です。
当てはまるのは次のシーンでした。
- 就活
- ライブ
上記どちらを取り組むべきか決めるために、コスト有無だけでなく、コスト大小の確認もしました。コストが大きいほど、それを代替できた時に使ってるくれる人数や収益が大きいからです。
◇コスト=
深さ(既に払っている1人当たりのコスト=金額×回数や頻度)
× 広さ(既にコストを払っている人数)
例)就活
深さ:交通費(往復2万円)× 多くても5~10回くらい?
広さ:主に地方就活生
例)ライブ遠征
深さ:交通費(同額)× むっちゃ多い人いそう..!
広さ:たくさんいそう..!
両者を比較したとき、大きさをよりイメージできたのはライブ遠征でした。
また簡単な仮説検証として、Twitterで「ライブ遠征 金欠」で検索してみると、相当数ヒットしたことも確認できました。
ちなみに、A班には猛烈にライブ好きな学生がおり、地方から遠征する友達もたくさんいるとか。この困りごとの当事者がいたことが、次のステップへ進む大きなキーポイントでした。
3.課題の深掘りをしよう!
テーマをライブ遠征に絞った次に、「顧客がコストを払ってまでライブ遠征をしたい理由」を考えるステップに移りました。
その理由を別の手段で代替できれば、解決策(新サービス)とるからです。
※ここで理由が不明確or間違いだと、サービスがぼやけるor刺さらないため、顧客は利用してくれません。
今回は、この理由を「アーティストを生で見たいから」と仮定しました。(他に、ファン同士の交流や、限定グッズ購入 などの選択肢が出ました)
ではコストを払ってまで顧客が求める「生」とは何か?
今回は、「アクションに対するリアクション」と定義付けました。なんか目が合った!(気がする)とか、手を振り返してくれた(気がする)とか、アーティストと一緒に盛り上がってる感って、確かに大切ですよね。
(この頃には、付箋を使ってかなり議論が活発化してきました。)
またこの時、競合サービスも確認しました。競合の「アクション&リアクション」は、テキストアクション、リアルタイム性の欠如などの特徴が見えたため、これを上回る方法を提案できれば、新サービスになる!と判断しました。
ここまでを下記に整理しました。
- ライブ遠征にコストを払って、金欠で困ってる人が多い
- 彼らがコストを払う理由は、生ライブでアーティストのリアクションを見たいから
- リアクションを別の手段に置き換えれば、新サービスになる
4.交差点に戻ってWillを再定義しよう!
はじめのA班のWill
「どこでも、住みたい所に住める世界を実現したい!」
→本来意図する想いとズレがあったので、
「場所に縛られずに生活や仕事をできる環境を創りたい!」へ変更。
また交差点として絞ったWillは、
「どこでも生ライブを体験できる世界を創りたい!」
…Willは2つあって良いんでしょうか?
Willはステップ論なので、二重円のイメージで描こうって話をしてました。
以上、ここまでの課題設定を他班よりも深められたことが、今回のインターンの勝因と思います。
(この後に解決策として新サービスを検討しましたが、かなり現実離れしたアイデアなので、実際に実現するのは困難かと、、笑)
でも人事もずるいよ。
人事から学生に「Willを追求しよう!」と繰り返しフィードバックがあったので、他班は確かに大きなWillを描いてたけど、最終プレゼンでは「本当にお金払ってくれるんですか?」と聞くんだから。
「Willは 交差点を描こう!」
…ちなみに、個人的な学びとして、
ぼくらは読書に関連する課題を探し中ですが、昨今様々なサービスがある中、読書に限らず解決されていない課題なんて無いんじゃないかと最近弱気になっていたところでした。
しかし、
・今回のインターンで、コストを含む課題があっさり出てきて、、まだまだ身の回りの課題はたくさんあるんだ、と勇気を貰えました。笑
・ただ技術的な制約で解決できない課題も多く、(政治、経済、社会など、、まさにPEST分析!)書籍『起業の科学』には、「Why now?(なぜ今やるか?)が最も重要」という記載があり、これが上記に該当することかなと、腑に落ちた次第でした。
以上です。ありがとうございましたmm